読んだ本の内容まとめ

アクセスカウンタ

zoom RSS 労働法入門 水町勇一郎 岩波新書 800円

<<   作成日時 : 2011/11/04 13:12   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

労働法の誕生
 19世紀の終わりから20世紀のはじめにかけて、先進国の労働者が低賃金、長時間労働の大変厳しい状況に置かれた。「このような事態が顕在化し深刻化するなかで、そこに現れた労働者の肉体的・経済的な危険と人間としての自由の欠如を是正する技法として発明されたのが、「集団」法としての労働法であった。ここで生まれた労働法は、市民革命がもたらした「個人の自由」を修正する技法として、次の二つの点で、法の世界に「集団」の次元を組み込んだ。一つは労働時間規制、社会保険制度など労働者に一律に与えられた「集団的保護」である。」「もう一つは、労働者が団結して使用者と団体交渉をし、その際にストライキなどの団体行動をとることを認める「集団的自由」である。

労働法の発展 ルーズベルトとニューディール
 「このような経緯で19世紀に誕生した労働法は、20世紀になると、経済成長と強く結びつきながら大きな発展を遂げていく。その一つの起点となったのは、1930年代アメリカのニューディール政策であった。ニューディール政策の目的の一つは、大恐慌の要因となった過少消費の克服があった。」「また、アメリカのニューディール政策とほぼ時期を同じくする1936年、フランスでは人民戦線政府が誕生し、大幅な賃上げ、有給休暇の保障、週48時間から40時間への大幅な労働時間短縮などが行われた。これらの労働立法・社会政策によって国民(労働者)の購買力を高め、経済の回復をはかろうとする積極的な経済政策が展開された。」「その背景として、当時、どのような社会的・思想的状況があったのだろうか。」「第一に生産管理システムとしてテイラー主義が普及したことがあげられる。」アメリカのテイラーは、「生産過程を細分化・分業化し、各作業を徹底した時間管理・動作管理のもとに置くことによって、生産・経営の効率化を図ることを推奨した。」「第二に、そのような時代の社会思想として「連帯」や「産業民主主義」という考え方が台頭していった。」「第三に、経済思想として新しい考え方が台頭した。」ケインズは、「自由放任資本主義に内在する構造的問題を克服するためには、国家の積極的な市場介入によって完全雇用を実現し、有効需要(購買力)を高めていくことが重要であるとの理論を展開した。」「これらの社会的・思想的背景のなかで、一つの標準的な労働者像が描き出された。それっは「工場で集団的・従属的に働く均質な労働者」であり、この存在が当時の社会を牽引する原動力となっていた。この均質な労働者に対し、「福祉国家」と呼ばれる国家が、集団的・画一的な形で保護を与えるというのが、20世紀の労働法の基本的なあり方であった。」

経済と社会の黄金の循環
 「戦後の経済成長期には、労働法や社会保障法による社会的保護と経済成長とが有機的に結びつく形で社会と経済が発展していくという「黄金の循環」が、先進諸国の間にある程度共通する現象としてみられたのである」

20世紀的システムの崩壊
 高度成長の後、「かつての「黄金の循環」(経済成長→社会的保護の充実→経済成長→・・・)が途絶え、社会と経済が連動して悪化していくという悪循環(経済状況の悪化→社会的負担増→経済状況の悪化→・・・)が生じるようになった。第二に、産業構造の変化に伴って、労働法の前提とされていた標準的な労働者が減少し、これとは異なる多様なタイプの労働者が増加した」 

労働法における法律 労働基準法などの強行法規
 「労働法のなかで、法律(強行法規)の果たす役割が相対的に大きいことを確認しておきたい。働く人と会社の間の関係の基礎に労働契約という契約があることは、前に述べたとおりである。労働法の世界では、この当事者同士の契約の内容を外から規律する法律が数多く存在し、当事者の自由な意志を制約する役割を果たしている。」「当事者の自由な決定に委ねてしまうと、労働者が人間としてではなく、物と同じように扱われてしまうという社会的弊害が生じる。」

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
労働法入門 水町勇一郎 岩波新書 800円 読んだ本の内容まとめ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる