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zoom RSS テレビは余命7年 著者 指南役 大和書房 1400円

<<   作成日時 : 2011/12/02 08:40   >>

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テレビがつまらない
 まず昨今のテレビが、見えない敵の恐怖におびえ、自主規制によってつまらなくなっている状況が紹介されている。「自然と、誰にも責任が及ばない、無難な番組づくりになる。いわゆるプラスを狙うのではなく、マイナスを生まない仕事の進め方。気がつけば、お笑い芸人やグラビアアイドルがひな壇に座り、ときどきワイプで抜かれ、VTRをみて感想を述べあう、無難な収録番組ばかりになってしまっているのだ。」
 「テレビの存在意義というのは、『今起きていることを伝える』
に尽きるらしい。」「テレビならではの利点は、やはり生の情報を伝えてくれるニュースやスポーツ中継だということになる。しかし、昨今の収録体質に慣れすぎてしまっているせいか、テレビはその本来の役割ですら、最近は活かせなくなっているのが現状である。」例としては、地球に帰還したはやぶさのことがあげられている。これを生中継した局がなかったのである。
 リモコンが普及するにつれて目立った現象にザッピングがある。これはCMなどの時に、他の局にチャンネルを移動することだ。これを防ぐために、さまざまな方法が採られるようになった。CM前の煽り、CM明けのリピート、定時よりおくれて番組が始まるフライングスタート、番組開始からしばらくはCMを入れなかったり、タイトルをなるべく遅らせたり、などなどチャンネルを変えさせない手法である。「日テレが、毎分視聴率対策を取り始めた時期と、大人を含めた視聴者がザッピングが日常化し始めた時期は、奇妙に符合する。面白いことに、ザッピング対策を取り始めてから、逆にザッピングが増えたのだ。」その一方、日テレは魅力的な番組群とザッピング対策の両輪が噛み合い、94年ついに13年連続視聴率三冠王だったフジテレビを引きずり落とし、視聴率4冠王になった。「かくして、どの局も、猫も杓子も似たようなバラエティ番組がはびこる事態になってしまった。CM前に『この後、とんでもないことがー』と執拗に煽り、CM開けは巻き戻してリピート。」「スタジオの笑い声も足し、さも盛り上がっているかのように演出する。そんな番組ばかりになってしまった。」「そして、気がつけばお茶の間は、テレビに飽き始めていたのである。」

テレビのビジネスモデル ローカル局の未来は暗い
 日本経済が右肩上がりの時代、大企業はテレビに広告を出し、東京のキー局は多くの収入を得、地方のローカル局はキー局から分け前を得て、「三方一両得」のビジネスモデルは大成功を納めた。「田中角栄郵政大臣以降もローカル局は増え続け、一県2局体制から3局体制へ。現実には4局体制も出現した。」長崎県はわずか人口は150万人に満たないが、4局体制だという。「90年代初頭のバブル崩壊も、テレビ業界は持ちこたえた。ところが、21世紀を迎えるあたりから、徐々にその神話に翳りが見え始める。」インターネット広告の登場である。新聞同様、テレビも広告費収入が減少していくのである。ローカル局は合併か、最悪整理ということになりかねない。
 ところで、1953年の登場以来(テレビ局第一号は日テレ、NHKではないことに注意)テレビ局は一局もつぶれていない。なぜなのか。一番の理由は、国民の財産ともいうべき電波の利用料の安さである。「テレビ局が総務省に払う年間の電波利用料は、わずか50億円程度。テレビの年間広告収入1兆7000億円のわずか0.3%にすぎない。」したがってテレビ局員の収入も多い。一番年収が高い大阪朝日放送(ABC)の場合、40歳で1600万円。残業時間がきわめて長く、残業手当がないなど特殊な業界であるが。とはいえ、これは下請けの制作会社の犠牲の上になりたつ高収入である。

テレビのピンチ
 テレビでは広告収入が収入全体の8割を占める。同じくインターネットに広告を取られている新聞が5割だということを考えれば、テレビ局の運営が困難になっているのは実感できる。もう一つ、テレビ局に重くのしかかるのが、BSデジタル放送である。10年たって現状は不良債権そのものである。BSの広告収入は地上波の1%以下、視聴率も軒並み1%未満である。
 また、最近のバラエティ番組が長すぎることも問題になっている。「そう、昨今のバラエティ番組の長尺化は、テレビの作り手が自分たちを”ながらメディア”と自覚している証でもある。もはや彼らは、4時間ずっとテレビの前にいてくれる視聴者を対象に番組を作っていないのだ。」つまり視聴深度が下がっているのである。これが真のテレビ離れだというのである。

テレビは公正か
 ジャーナリズムに大きな力があることはいまさらいうまでもない。日本でも戦前マスコミがほとんど大本営発表のたぐいしか流さなくなり、これが国民に大きな不幸をもたらしたことは誰でも知っている。だから、マスコミはいらずらに世論をあおることなく、最終的な判断は国民に委ねなくてはならないと筆者はいう。アメリカでも、マスコミの過剰な報道が米西戦争をもたらしたという不幸な過去がある。ところが、今日の日本のテレビ報道にはそんな反省が生かされていないと筆者は指摘する。その火付け役になったのがテレビ朝日の「ニュースステーション」だという。キャスターの久米宏が個人的なコメントを挟むのが真の報道のあり方を逸脱しているという。
 「結局、今のテレビ界は、あらゆるジャンルの番組が『バラエティ化』しているのが問題だと思う。ニュース番組をはじめ、情報番組、ドラマ、ドキュメンタリーまでもが、全てにおいてバラエティ化している。スタジオにはアドリブが得意なお笑い芸人やグラビアアイドルたちが揃い、VTRが流れている間、ワイプと呼ばれる小窓でその表情が映され、スタジオに戻る度に気の利いたコメントを求められる。もっとも、彼らが重宝され、総バラエティ化しているのは、ひとえに『視聴率がとれる』からである。別に彼ら自身が求められているわけではない。」
 「さて、そんな総バラエティ化ともう一つ、最近のテレビ番組で僕が気になるのは、一連のユーチューブ番組である。いわゆる一般人が撮影・投稿した面白動画番組の類いだ。VTRが流れている間、スタジオのタレントたちがワイプで抜かれて、コメントする類いの番組である。」「低予算で作れて、そこそこ視聴率も期待できる。だけど、もはやそこに、テレビの作り手たちの『志』は何もないと言っていい。志の欠如、僕はこれが、テレビがつまらなくなった最大の原因だと思う。」

NHKへの提言
 「僕は、時計の針を1984年10月以前に戻すことを提案したい。関係会社を整理し、かつてのように受信料収入に徹する。そうなれば、自ずと商業的な番組作りも改まるだろう。放送人としての高い志のもと、民法とは違う、深い見識の番組作りをするようになるのではないだろうか。

テレビの未来
 「あの日を境に、テレビの世界は一変してしまった。」それは3月11日である。「スタジオのひな壇でタレントたちが騒ぐ一連の番組から、視聴者の興味が急速に薄れつつあるのだ。」足の引っ張り合いとか、陰湿なシーンの連続にも心が苦しくなり、テレビの電源を切っているという。その一方で、明るい気持ちになれる番組が意外に健闘している。「人の揚げ足を取ったり、過激なシーンを入れたりするような番組はなんとなく避けるようになってしまった。その一方で、皆で協力して何かを成し遂げたり、ホッと一息つけるような番組は、以前にも増して見るようになった気がする。」
 一例を挙げる。これは番組ではないが、JR九州の新幹線全線開通のCMが、この春、大いに話題になったのを覚えているだろうか。」「震災以降、日本の前途に希望を失っていた視聴者が求めていた勇気や感動を、テレビメディアが見事に代弁してくれたカタチである。」「テレビは、娯楽メディアから、共感メディアへと姿を変えつつある。」

 筆者は本書の一番最後で次のように述べている。「今こそ、テレビが真にに公正なメディアに脱皮できるチャンスである。志あるテレビマンがコンテンツ重視で番組を作り、それを視聴者が受身でなく、能動的に楽しむ。
 テレビ新時代。
 その扉は、まさに目の前にある。
 それを開けるのは、あなた自身だ。」

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