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zoom RSS 世界で広がる脱原発 フクシマは世界にどう影響を与えたのか 別冊宝島編集部編 宝島新書 700円

<<   作成日時 : 2011/12/11 21:29   >>

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第一章 イタリアが報じた脱原発
 イタリアでは6月12,13日原発に関する国民投票が行われた。これは投票率が50%を越えなくては有効とならない。「そして、6月13日。15時の投票終了を待たず50%を越えた13時15分、マダマ宮殿(上院議会堂)でベルルスコーニの記者会見が報道される。『私たちは、原子力に永遠の別れを告げなければならないだろう。これからは再生可能エネルギーの時代だ』最終的な投票率は54.8%。原発問題は、94.1%の圧倒的多数で可決。イタリアは、87年の国民投票で稼働中の原発を止め、そして再び、原発推進に邁進し始めていた国の方針にストップをかけたのである。」とはいえ、今後エネルギーの見通しが立っているわけでもない。「イタリアの人気歌手アドリアーノ・チェレンターノが『原発に替わるエネルギーを待つ間、僕たちは多少の寒さを我慢するつもりでいるよ』などと冗談交じりにコメントした。」

第二章 ドイツが報じた脱原発
 「東京電力・福島第一原発での事故は、それから三ヶ月という短期間にドイツの政治を激変させた。なにしろ、事態収拾に追われる当の日本をよそに、電力供給比率の26%を担う原発を11年後までに全廃することを決めてしまったのだ。『フクシマ』に対するドイツ人の異常なまでの関心の高さは、最初かメディアでの露出度にもはっきりと表れていた。」ドイツを代表する週刊誌シュピーゲルには次のようにあるという。「ドイツの歴史にとって原子力ほど重要なテーマはない。核汚染の恐怖について、これほど敏感に反応する国はほかにない。だからドイツでは緑の党という反核の党が設立され、政治システムに深く根を下ろすことになった」その理由は何か。「ひとつは、ドイツ人の自然に対する特別な心情である。『母なる自然』という言葉に代表されるように、彼らは伝統的に自然を人格化してきた。」また、脱原発は急に決まったことではなく、実は2000年には決まっており、その後の政権交代で延長されていたにすぎない。だから「実は長い年月をかけて高まった国民の反核意識が、フクシマを機に政府のエネルギー政策を覆したのだ。」5月はじめに発表された報告書では「20年までに電力供給の35%を、50年までに80%をグリーン電力に替えることを目標に、北部のオフショア風力発電施設を拡充、国の南北を結ぶ3000キロメートル以上の高圧送電網を整備するなどの計画が盛り込まれている。」もちろん脱原発に反対もしくは懸念する声は出ている。「電力の安定供給を案じ、他方では自然エネルギー利用拡大に伴う不都合に国民がいつまで寛容でいられるかを懸念する。」自然エネルギーの整備に「約18兆3750億円の助成金が必要になると予測しているが、これは電力料金への賦課という形で最終的には国民が負担する。」「脱原発による原発の操業制限がドイツの基本法(憲法)で認める私有財産保護原則に抵触すると電力各社は主張して」いる。大手の電力会社「イーオンとRWEが提訴することは確実視されており、その損害賠償要求総額は数百億ユーロに上る見込みだ。」「世界中がドイツに注目している。奇跡と言われた戦後の経済復興と東西ドイツ統一を成し遂げたこの国が、原発を廃止してなお経済大国として生き残ることが出来るのかどうか」

第三章 アメリカが報じた脱原発
 この章は意外な言葉から始まる。「アメリカの原子力発電所の歴史を見ると、それはまるで市民運動の歴史を見ているようだ。」
 「現在、アメリカでは、原子力発電所は電力の約20%を供給している。・・・31州の原子力発電所65カ所に104基がある。」「現在操業中の104基は1964〜77年に着工されたもので、新規建設は78年以降30年以上行われていない。」反対の市民運動がなければアメリカの原発は現在の10倍だったという。「もしニクソン元大統領の計画通りになっていれば、アメリ界は少なくとも1000基以上の原子炉があることになる。」「アメリカは一見原子力エネルギーを積極的に推進してきたように思われているが、実際には反対運動が勝利を収めているようだ。」「驚くなかれ、アメリカでの反原発運動はその産業の歴史と同じくらい古い。」原発に反対する理由はいくつかあるが、「核廃棄物処理について最終的な解決策がない」「原子力エネルギーを高価な、信頼できないものとしてとらえている」などがあるという。
 アメリカでは原発で事故が起きた場合、最終的には国が賠償を行う法律がある。「アメリカにはプライス・アンダーソン法があるので、3・11と同じレベルの事故がアメリカで起きても、事業者がもつ賠償には上限があり、守られるようにできている。原子力産業の人たちは、リスクと報酬を慎重に分離することを確実にした。つまり、儲かっているときは事業者が利益をもって去り、失敗すると納税者が責任を負うようになっていることを我々は認識すべきだ」「11年8月23日、首都ワシントンDCに隣接するバージニア州を震源地にマグニチュード5.8の地震が東海岸を震撼させた。」「全米では10基の原発がこの地震で緊急停止した。」「以来、全米15カ所で脱原発を求める集会が開かれ」た。「NRC(
全米原子力規制委員会)が3・11や今回の地震の影響で、規制強化することは必至であるが、それに伴う安全対策コストの上昇は原発新設に大打撃を与えた。アメリカは原子力と再生可能エネルギーの電源構成比は原子力が20%、再生可能エネルギーが10%(09年)であるが、今後はこれが逆になって行くであろう。」

第四章 台湾が報じた脱原発
 「3月11日の東日本大震災、福島原発事故以降、台湾では、反原発を叫ぶ声が一気に噴き出した。最初に台北で約3000人が参加する反原発デモが行われたのは、3月20日。その後、毎月のように、反対集会やデモが繰り返されている。」「デモでは、日本の被災者のために、一斉に祈りを捧げる姿もあった。台湾の企業や個人が、東日本大震災に際して、200億円以上の義援金を送ったのは、多くの日本国民が知るところだが、彰化県、台南市など公的機関や個人が、被災者の受け入れを表明していたことも記しておきたい。」
 台湾で「原子力発電所の建設が始まったのは、国民党独裁政権時の70年代。アジアでは、日本に次いで2番目であった。」「80年代には原子力が全発電量の半分を超える時期もあったが、2010年の発電量は、化石燃料(石炭・石油・天然ガス)が53.5%、げんしりょくが19.3%、そのほか、民間電力会社や再生可能エネルギーなどである。」「馬総裁は、安全面の不安から、第四原発の運転をさらに一年先送りすると発表。第一、二、三原発に関しては、台湾電力が提出していた、運転期限40年を60年とする延長要求を認めず、18〜25年に順次廃炉とする方針を固めた。対する民進党のの蔡英文主席は、福島原発事故後、『25年までの原発全廃』を打ち出し、・・・台湾のエネルギー政策を転換しようという動きが活発化している。」
 「原発を推進する背景には、経済界の声が大きいといわれるが、その経済界からも反原発の声が上がっている。」それは、たとえば台湾が地震多発地帯にあるため、原発が向かないなどの理由による。日本同様、原発を全廃しても問題はないといわれる。「民間のシンクタンクの試算によると、原発を即時撤廃しても、省エネなどで電力需要の成長を09年レベルに抑えれば、天然ガスで不足を補え、一般国民の電気料金負担は年1000元ほど増えるだけだ。」

第五章 韓国が報じた脱原発
 「世論調査の対象となった韓国人のおよそ7割は、『いずれ起きるかもしれない原発事故の恐怖』を強く意識しているということになる。今、こうした考えをもつ韓国人にとって悩ましいのは、『だからといって、すぐに脱原発に突っ走ることはできない』ということだ。」こうした点で、状況は日本とよく似ている。「韓国は補助金によって、電力料金が低く抑えられている。」「留学や観光などで日本の冬を経験したことのある韓国人の中には、『日本は韓国よりも寒い』と話す人がけっこういる。」安い料金で韓国人が電力を大量に消費しているというわけである。「ただ、『中央日報』によれば、電力消費を押し上げているのは家庭ではなく国と産業だという。」「産業用電気料金は1KWH当たり87ウォンと、住宅用(1300ウォン)に比べてはるかに安いため、どんどん使う。」「企業が現状に安住し、電気効率のアップに大きな関心をもたないのも当然だ。」「そして、こうした電力の大量消費を支えているのが、ほかならぬげんぱつというわけだ。」「11年現在、韓国には21基の原発があり、・・・これは世界第六位の規模だ。・・・発電量の約31%を原子力が占めている。
 ただ、韓国には見過ごせない動きがある。「韓国政府が来年度から『RPS制度』を導入することだ。これは、政府が浮力や太陽光など自然エネルギーの利用目標を定め、電力会社ごとに一定量の利用を義務づけるものだ。」とはいえ、「韓国の脱原発世論が今一つパンチを欠いているのは前述したとおりだ。ほんの少し前の日本がそうであったように、韓国では原発に対する様々な主張や思いがバラバラに存在しており、まだ大きなうねりになっていないのである。」「韓国政府は30年までに、原子力の発電量を全体の59%に引き上げる目標を掲げている。それと平行して、新興国に原発を輸出するためのの商談を積極的に進めている。」また、「使用済み核燃料を、各原発の敷地内にある一時的な貯蔵施設で保管してきた。16年以降、それらの施設が順次飽和状態になると見込まれているのだが、その後のことがまだ何も決まっていないのだ。」

第六章 中国が報じた脱原発
 「地震発生5日後の3月16日に開かれた国務院常務会議では、日本の事故を受けて、新たな原発建設計画の審査・承認を一時凍結すること、さらに稼働中・建設中の原発の徹底的な安全審査を行うことが決定された。」とはいえ、「中国は今後の世界において原発建設に最も熱心な国であると言えよう。」「世界で建設中の原発の4割が中国だというのは、中国が世界の約2割の人口を有するにしても多すぎる数字であろう。」「実は今後10年間でその倍の原発が新たに作られようとしているのだ。」「原発増設に関して反対意見はほとんどない。それは福島原発の事故後でも変わらなかった。国内での無反応に呼応するように、中国政府は原発増設路線を堅持する。」「国内の批判意見が少ない原因は以下の2点にあるのではないかと思う。第一に国家の根幹に関わる問題だけに言論への統制が特に厳しく、したがって原発に関する正しい知識が普及していない点。」また、「エネルギー消費を拡大せざる得ないなか、多くの人にとって原発反対が国益にそぐわない思いがあるのではないか。」中国では、海岸地帯に比べ、内陸部の発展が遅れ経済的な格差も大きい。そうした地域で原発の計画がより多く立てられている。「慢性的な赤字に苦しみ、インフラ開発の遅れや深刻な環境汚染に有効な対策を立てられないでいる地方政府にとって、原発がいかに救い主であるかは明らかである。」「格差社会の低い方に当たる内陸部政府の苦肉の策のカネ稼ぎを黙認せざる得ないから」内陸部への原発の誘致は進む。」



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